おうるです。
タイプの違いを知れば、しんどい子育てがラクになる!という「性格統計学」をもとにしてカウンセリングをしています。
著者、石井志昴さんは中学2年生から不登校。
フリースクールに通い、その後不登校の専門誌である不登校新聞」のスタッフとなり、現在は代表理事を務めている方です。
この本では、不登校になる前や不登校になってからでも、親として知っておいた方がいいことがたくさん書いてありました。
今回は私が印象的だった5項目を紹介したいと思います。
- 子どもの話をコントロールしない
- 「学校休みたい」と言ったら休ませる
- 学校に行きたくない理由が重なり合っている
- 勉強はいつでもできると開き直る
- 「ふつう」のおじさん、おばさんになる
そして、NHKすくすく子育てで有名な汐見稔幸さんとの対談や、N高の生みの親である川上量生さんとの対談もとても興味深かったです。
不登校の定義は、「年間30日以上学校休む状態」、月に換算すると3、4日休むと該当します。
誰もが我が子が不登校になるとは思っていないでしょう。
しかし、どんな子でも不登校になる可能性があり、クラスの人気者も、勉強ができる子も、運動ができる子も、コミニケーションスキルが高い子も、子どもの中で何かしらの不具合が重なっていくと不登校につながるといいます。
みんな不登校になる可能性があるという事は、この本の知識は親として誰もが知っていた方がいい、そう思います。
不登校にまで至らなくても、学校で嫌なことがあったとき、どう親として接していけばいいのか。
学校に毎日行くのが当たり前、社会性は学校で学ぶもの、そんな固定観念がある人に読んでもらいたいなと思います。
子どもの話をコントロールしない
子どもの話をコントロールしない。
否定されず話を聞いてもらえたと言う経験が、何かあったときにSOSを出しやすくなる。
「子どもの話はよく聞く」
当たり前のことのように聞こえますが、実際、難しくないですか?
時間に追われて家事で忙しくしているときに「ママ、ママ〜」とずっと話しかけられてても聞いてあげたいけど聞いてあげれないとか、あるあるですよね。
でもそうではなくて、しっかり話を聞こうと向き合っているときでも「子どもの話をよく聞く」と言うことって難しいなと思うのです。
子どもが話をしていると間違いを指摘したくなったり、大切なことだから伝えようとしたり、、つい口を挟みたくませんか?
例えば、子どもが「今日は友達と遊んだけど、途中で〇〇で言い合いになった」と話し始めた時。
私は、「これからそういうことが起こらないためには、どうしたらいいのか」と言う視点で話を聞き、助言したくなります。
でも、息子は今日の大変だった出来事を言いたいだけ。
別に解決してほしいわけではないし、トラブルを起こしたことで何がいけなかったのか自分でもわかっている。
それを親にぐちぐち言われるのはきっと嫌なはず。
親は子どもの話をコントロールせず、子どもの話をひたすら聞いて共感するだけが本当はいいのです。
寄り添って話を聞く、傾聴。
意識しないとなかなか難しいです。
学校休みたいと言ったら休ませる
子どもが学校を休みたいと言ったら休ませる。
学校休み始めた瞬間から心の回復が始まる。
学校へ行っている間は、学校から離れたいのに離れられない1番危険な状態。
その学校から距離を取ることで心が回復する。
世間一般で一度休むと休み癖がつくとか、言われることがありますが、子どもが学校を休みたいと言った時は、「今まで頑張って頑張って学校に行っていたけれど、もう無理!!」と心の中で叫び、限界状態なのだそうです。
本では、「数日休むと学校に行きたくなる。
たいていは数日から1週間ほどで心と体が休息、学校に通うようになれる」とあります。
無理に理由を聞こうとしない
子どもが学校に行きたがらない時、無理に理由を聞こうとしない。
いじめなどを辛い経験があって学校へ行きたくない場合は、親を悲しませるかもしれないと言いづらいのかもしれないし、
そもそも行きたくない理由は複雑に絡み合っているため子ども自身も言語化できていない場合もあります。
子どもの年齢にもよりますが、自分の感情を言語化するというのはなかなか難しいですよね。私も自分の感情を言葉にできないことありますし。
子どもが学校に行きたくないと言ったら、「勇気を振り絞って言ったこと」と思って受け止めるって大事なのだと思います。
勉強はいつでもできると開き直る
学校へ行かなくなると勉強の遅れが気になりますが、勉強に集中できる状況ではないから勉強は置いておこうと親がひらきなおることが必要。
ずっと学校の勉強していなくても、ある日自分でやり始めるそうです。
学びは自分が学びたいと思っていないとできないと言うのは納得ですが、とはいえそれを信じて待つのは相当覚悟がいりますね。
教科学習も大事だと思いますが、今、それに向かえないのであれば、「どんなことからでもいいので、自ら学びを深める経験をしていって欲しい」と伝え、少し落ち着いてきたら一緒に色々な経験をするといいと思います。
「ふつう」のおじさん、おばさんになる
不登校から20年、30に至って大人になった人たちに会ってみて感じるのは、普通のおじさんおばさんたちだなと言うこと。
不登校というとすごく特別なことのように感じますが、不登校故の苦しみもあったかもしれませんが、その後生きていれば誰でも経験するような普通の人生を歩んでいると感じている。
私は学校が嫌な時期もありましたが、「学校行かない」と言う考えにならなかったのもあり、不登校は経験していません。
不登校の子がどうなっていくのか、どういう人生になるのか未知の世界でしたが、結局普通のおじさんおばさんになると言われるとなんだかほっとしました。
対談
汐見先生との対談
汐見先生との対談では、「自己肯定感」の話が出てきました。
なんと自己肯定感は1980年代の前半に汐見先生が言い出したとのこと。
今の自分に対する自信を自分を肯定する感覚を「自己肯定感」と言う言葉にしたそうです。
また、不登校になると社会性が育たないのではないかと言う問題に対し、「どんな子も基本的な社会性は育っている」といいます。
1人でも2人でも自分のことをわかってくれる先生や、何でも話せる友達がいる。
そういう関係が作れれば、その人の社会性は十分に育つと言うことです。
学校に行っても「あいつの前でこんなことを言うのはまずい」とか「ここで目立ったらまずい」と忖度するのでは、表面的な関わりで、社会性でも何でもない。
学校に行けば社会性が育つか。
条件として可能性はあるけども、実際は中身によって全く違うと言うことです。
川上さんとの対談
最後はN高等学校を生み出した川上さんとの対談でした。
個別最適化の教育を目指すN高、すごく魅力的で、私が学生時代にあれば行ってみたい!と思いました。
不登校の子は、学校に合わないからだめじゃない。
今の学校教育のルールに合わないだけ。
川上さんが設立した会社ドワンゴは「社会不適合者」と呼ばれる人たちが集まってできた会社と言っていました。
不適合だったと言う感覚から始めて、でも社会が変われば適合するじゃないかと言う発想に立って、学校づくりをしている。
そのストーリーに惹かれます。
さいごに
コロナ禍になり、不登校が増えたといいます。
不登校になる前や不登校になってからでも、親として知っておいた方がいいことがたくさん書いてあるのでもし興味のある方、おすすめです。
性格統計学での私の性格タイプは「学ぶこと」がキーワード。
学ぶことで、気持ちを整えられるような気がするので、これからもできるだけ情報収集していこうと思います。
最近、疲れているときにも情報収集できるように、Audibleのお試しを始めました。
今回紹介した本もAudibleで聞けます。
体が疲れてソファやベッドに寝転がりながらでも、身体を休めながら情報収集できるのは私にピッタリでした。